日本古典文学論演習(中古)T[22B0851]

科目名
Course Title
日本古典文学論演習(中古)T[22B0851]
SeminarT: Classical Japanese Literature(the Heian Period)
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 日本語・日本文学コース クラス 日本語・日本文学コース
CCBM キャリアデザイン  
単位数 2.0単位 履修年次 3

担当教員 松岡 智之
学期 前期
曜日・時限・教室
金曜 7 8 演習室(IACS)(人間文化研究科棟508室)

受講条件・その他注意
「日本古典文学論基礎演習T」を履修済みであること。また、後期の「U」はこの「T」を履修済みでなければ、原則的に履修できない。

授業の形態
演習,対面授業のみ

教科書・参考文献
〔教科書〕指定書籍なし。電子メール添付等の方法で、各回の授業資料を配付する。各自でプリントアウトして持参、あるいは何らかのモバイル機器で見られるようにして出席のこと。
〔参考文献〕
阿部秋生ほか『源氏物語 2 若紫・末摘花・紅葉賀・花宴(古典セレクション)』(小学館1998)、藤本孝一編『定家本源氏物語 若紫』(八木書店古書出版部2020)、伊井春樹『人がつなぐ源氏物語 藤原定家の写本からたどる物語の千年 (朝日選書)』(朝日新聞出版2021)。原岡文子『『源氏物語』に仕掛けられた謎 「若紫」からのメッセージ(角川叢書)』(角川学芸出版2008)。新美哲彦「新出「若紫」巻の本文と巻末付載「奥入」─定家監督書写四半本『源氏物語』との関係を中心に」(『中古文学』第106号、2020年11月)。
※以下は《ALH》のための参考文献。
藤田勝也『平安貴族の住まい 寝殿造から読み直す日本住宅史(歴史文化ライブラリー)』(吉川弘文館2021)、倉田実『庭園思想と平安文学 寝殿造から』(花鳥社2018)、加藤伸江『『源氏物語』庭と邸宅 想定配置図私案(新典社研究叢書)』(新典社2020)、秋山虔 小町谷照彦編 須貝稔作図『源氏物語図典』(小学館1997)、風俗博物館編集『源氏物語 六條院の生活 改訂版』(青幻舎1999)、風俗博物館編集『六條院へ出かけよう 源氏物語と京都』(光村推古書院2005)、西山良平 藤田勝也編著『平安京と貴族の住まい』(京都大学学術出版会2012)、金田章裕『古地図で見る京都 『延喜式』から近代地図まで』(平凡社2016)。
さらに、授業の中で適宜紹介します。


ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=25% ,発表=60%,ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=15%

主題と目標
 受講者の分担発表と質疑応答とによる演習形式で、平安時代の物語文学『源氏物語』を読み解きます。若紫巻(わかむらさきのまき)の後半を取り上げる予定です。受講者のみなさんが、辞書・事典類、索引、諸註釈書や関連する各種資料を用いつつ、『源氏物語』の文章中の語句を理解し、説明できるようになること、妥当で読みやすい現代語訳を作れるようになることが、第一の目標です。そして、この演習を通して、平安時代の古典文学を研究する基礎力の涵養をめざします。

授業計画
1.ガイダンス
2.演習発表の準備方法と『源氏物語』若紫巻の概略(1)
3.演習発表の準備方法と『源氏物語』若紫巻の概略(2)
  (影印本からの翻字の仕方、参照すべき辞書・事典、史料、
   現代注を中心とした諸注釈書などについて授業者が説明する。)

4〜12.『源氏物語』若紫巻の講読
 (受講者で分担をし、担当箇所について、整定本文、注釈、解説を準備し、報告する。
 発表者と、担当者以外の受講者および教員とのあいで、質疑応答、討論を行う)

《ALH1》住んだ気になる寝殿造
ハサミと糊とで作る楽しみ。種々の書籍から図版・写真等を紙に複写し、それらをハサミで切り取り、糊で台紙に貼って、自身で記す解説文と組み合わせ、最後にPDF文書化して、平安時代の貴族住宅を解説する文書を作成する。
寝殿造に関する近年の研究動向に配慮すること。末尾に出典一覧を付す形式とするが、それでも著作権に抵触する可能性があるので、制作物は授業内限定とする。著作権を侵害しない図版の引用方法は、各自で別途学ぶこと。たとえ自身で購入した本であるとしても、紙の書籍を直接切り取らないこと。

《ALH2》行った気になる平安京
平安時代の平安京および周辺に関する図版と現在の京都市および周辺に関する図版・画像とを組み合わせつつ、自身が記す解説文を加えて、平安時代の文学の世界を想像しながら、現代の京都を楽しむための解説・案内の文書を作成する。《ALH1》で培った、紙・ハサミ・糊を用いた編集感覚を活かしつつ、《ALH2》ではWeb上にある画像等を積極的に用いることとする。《ALH1》と同様、制作物は授業内限定とする。
よくできた図版、ぴたり当て嵌まる写真、あるいは定番の絵画資料を探し出して活用するための「勘」を涵養してほしい。

13.まとめ



時間外学習
変体仮名の解読、工具書類(辞書・事典・索引)やデータベースの活用法の復習。各回の授業内容の復習。演習発表の準備、学期末レポートの作成。

学生へのメッセージ
 『源氏物語』はどの巻を読んでもおもしろい作品ですが、2019年秋の「定家本若紫」発見の機会をとらえて、今年度は若紫巻を取り上げます。昨年度に若紫巻の前半を扱いました。今年度は若紫巻の後半を取り上げます。〈定家本〉発見の意味を考えつつ、注釈的読解の力量を向上させましょう。
 ところで、昨年度は、阿部秋生ほか『源氏物語 2 若紫・末摘花・紅葉賀・花宴(古典セレクション)』(小学館1998 ¥1,600+税)を〔教科書〕に指定したのですが、現在、版元品切れのようでありますので、今年度は〔参考文献〕に移しました。紙の本の存在が危ういのかなと心配になるところですが、今年度は Japan Knowledge 搭載の「新編日本古典文学全集」をフル活用ということで、進めたいと存じます。