衛生学は主として人間を取り巻く自然的、社会的環境要因との関連を科学的に明らかにし、疾病の予防や早期発見、健康の維持増進などに役立てようとするものであるが、個人の健康と集団の健康とは切り離せるものではない。そこで、衛生学の成果を根拠として国や地域の住民の健康を実現するための見通しを確立し、対策を立て、実行するにはどうしたらよいかについて扱う分野が公衆衛生学である。この講義では、環境と健康の関わり、ヒトの発育発達や老化などについての基本を理解し、健康の意味を考え、そのうえで健康を実現するための対策や社会的施策について理解を深める。さらに、こうした講義や発表・討論を通して、自分自身の健康や周囲の人々の健康、社会の健康について具体的に考えられるような力を身に付けることを目指す。
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