グローバル・ヒストリー[22B2008]

科目名
Course Title
グローバル・ヒストリー[22B2008]
Global History
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 グローバル文化学環 クラス グローバル文化学環
カラーコード キャリアデザイン  
単位数 2.0単位 履修年次 14

担当教員 阿部 尚史
学期 後期
曜日・時限・教室
月曜 9 10 共通講義棟1号館301室

受講条件・その他注意
グローバル文化学環および比較歴史学コースの専門科目ですが、多様な学生の参加を期待します。授業はアメリカの大学におけるグローバルヒストリーの教科書(英語)をもとにして、履修者の主体的な参加をもとに進めます。歴史は暗記科目で、過去のことがどう役に立つのかわからない、と思っている人もいるかもしれません。グローバルな時代を生きる我々にとって歴史を学ぶ意味を考えてみましょう。歴史学や世界史だけでなく、グローバリゼイション/グローバル化や国際関係、地域研究、社会学を長期的な視野で学ぶことに興味を持つ学生も歓迎します。それなりの量の英語を読むことになります。事前課題をこなし、授業中の質問や意見など、授業に積極的に参加する受講者を期待します。

授業の形態
講義,対面授業のみ

教科書・参考文献
*教科書
Robert Tignor, et.al. Worlds Together, Worlds Apart: A History of the World from the Beginnings of Humankinds to the Present, 3rd ed.(New York, 2011)。
講読箇所をデータで、または印刷して配布します。

・参考文献
岸本美緒『東アジアの近世』(世界史リブレット、山川出版社、1998年)
羽田正『新しい世界史へ―地球市民のための構想』(岩波新書、2011年)
羽田正編『グローバルヒストリーの可能性』(山川出版社、2017年刊行予定)
水島司編『グローバル・ヒストリーの挑戦』(山川出版社、2008年)
水島司『グローバル・ヒストリー入門』(世界史リブレット、山川出版社、2010年)
パミラ・クロスリー(佐藤彰一訳)『グローバル・ヒストリーとは何か』(岩波書店、2012年)
イマニュエル・ウォーラーステイン著(川北稔訳)『近代世界システム論』全四巻(名古屋大学出版会、2013年)
J. Belch (ed.), The Prospect of Global History, Oxford: Oxford University Press, 2016.
S. Conrad, What is Global History?, Princeton: Princeton University Press, 2016.

ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=60%,発表=20%(班報告),授業への参加態度=20%. 毎回、授業予習のための課題を出します。授業に反映させてください。,ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=班報告の準備(報告と併せて合計で20%)

主題と目標
グローバルな視点で歴史を学び、現代社会の成り立ちを深く理解することは、多様な文化が入り混じり、共生・共存するグローバルな時代に生きる我々にとって不可欠になっている。授業をとおして、高校までの歴史教育を大きく前に進めて、とくに「考える歴史」に取り組んでいきたい。授業では、とくに17世紀以降を対象とし、世界各地の相互連関が強まり、一体化していく過程(いわゆるグローバリゼイション)に注目し、テキストを批判的に読み、現代社会が形成されるダイナミズムを読み解く。こうした作業をとおして、「今日の世界」そのものとその成り立ちをより深く理解することを目指す。とくに、単に世界でグローバルなつながりが進展していることに留まらず、それに抗おうとする力学も同時に働いていることにも着目したい。

授業計画
(1)アメリカで定評の大学生向け歴史教科書Robert Tignor, et.al. Worlds Together, Worlds Apart: History of the World from the Beginnings of Humankinds to the Present, 3rd ed.(New York, 2011)を講読する。(テキストは比較的わかりやすいが、所々難しい単語あり)。一つの章(約40頁)を授業数回かけて取り扱い(計3章+α扱う予定)、内容を批判的に読む。おもに17世紀から現代にいたる世界の歴史の推移を、「結びつき」「相互依存関係」に注目し、俯瞰的にとらえる方法を学ぶ。取り上げる章は、Chap. 16, “Alternative Visions of the Nineteenth Century”(予定、変更の可能性あり)、Chap. 17, “Nations and Empires, 1850-1914”、Chap.21, “Globalization, 1970-2000”。 今年度は近現代史を取り扱う予定。「問い」を参照しながら課題となる章を予習してもらう。授業では、補足説明し、議論も交えて深く考える(計11回)。予習では精読することを求めないが、何が書いてあるのか、また日本の高校世界史と何が異なるか、理解するように努めてほしい。
*Chap. 16の講読については、授業展開に関連して変更の可能性があります。
(2)受講者による報告(グループ報告)の機会も取り入れる。

1. 導入:グローバルヒストリーとは何か?
2.“Nations and Empires, 1850-1914”-1
3.“Nations and Empires, 1850-1914”-2
4.“Nations and Empires, 1850-1914”-3
5.“Alternative Visions of the Nineteenth Century”-1(変更の可能性あり)
6.“Alternative Visions of the Nineteenth Century”-2(変更の可能性あり)
7.“Alternative Visions of the Nineteenth Century”-3(変更の可能性あり)
8.“Globalization, 1970-2000”-1
9.“Globalization, 1970-2000”-2
10.“Globalization, 1970-2000”-3
11.“Globalization, 1970-2000”-4
12. 報告のための資料調査・分析(ALH-1)
13. 報告のための資料作成(ALH-2)
14. 学生報告1
15. 学生報告2
(授業の進捗によって、回がずれ込むことがあります)

アクティヴラーニングアワー:グループ報告のための資料調査(1回)+資料作成(1回)

時間外学習
教科書として用いるWorlds Together, Worlds Apartを可能な限り予習してほしい。授業該当箇所以外も興味がある章を読んでほしい。全体をmoodleに掲載する予定。またグローバル・ヒストリーにかかわる参考文献をこの機会に是非多読してほしい。

学生へのメッセージ
「グローバル」という言葉は、ありふれた言葉になってしまった感がありますが、グローバルな時代の歴史を考える作業はまだ始まったばかりです。暗記ではなく、現代の成り立ちを深く理解するための歴史、世界を結びつける歴史の考え方の最前線を学んでみましょう。

学生の問い合わせ先
初回授業で通知します。