(1)ミニ講義1「現代世界における暴力と平和」 暴力を制御するために国家は形成されたが、国家が脅威そのものになることも少なくない。暴力と平和の逆説を説明する。 (2)ミニ講義2「個人、国家、世界」 世界を認識するときの基本的な3つの分析レヴェルの問題を扱う。平和と暴力を考察するとき、個人に注目すべきか、国家に注目すべきか、国際システムに注目すべきだろうか。 (3)文献講読1:「ウェストファリア・システムとは何か」 基本的な世界認識を体得するため、リアリズムとリベラリズムの基本文献を講読する。 (4)文献購読2:「グローバリゼーションとは何か」 現代世界の変容を反映したグローバリゼーションについての基本文献を講読する。 (5)文献講読3:「新しい脅威とは何か」 現代世界では脅威は古典的な国家間紛争よりも、不正規戦、テロ、大規模環境破壊、パンデミックなどの新たな脅威である。これら新しい脅威についての文献を講読する。 (6)文献講読4:「世界を席巻するネオリベラリズムと社会的排除」 市場メカニズムを重視するネオリベラリズムの世界的拡大が現代の特色だが、それに連れて移民排斥やヘイトスピーチに象徴される国家の反動が起きている。ネオリベラリズムとネオネショナリズムの文献を講読する。 (7)ミニ講義3:「グローバル・ジャスティスの未来:人権、民主主義、環境、ジェンダー」 以上で学んだように、現代世界は平和に向かっているとは言えない。これに対しグローバル・ジャスティスをどう打ち立てるかは重要だが、慎重に議論する必要がある。講義形式でサーベイを行う。 (8)ミニ講義4:「世界の中の日本、日本の中の世界」 現代世界の変容の中で日本の置かれている位置を学び、講義形式で課題を議論する。 (9)文献講読5:「開発の時代の終わり」 現代文明の限界を鋭敏に指摘し、脱開発の方向を示す文献を講読する。 (10)文献講読6:「グルーバル・プロブレマティークとしてのコミュニティ」 地域の編成が大きく変化している。移民受入れや多元的共生についての文献講読を行う。 (11)文献購読7:「地球市民社会の挑戦」 世界社会フォーラムに象徴されるようなNGOの連携が形作る地球市民社会についての文献講読を行う。 (12)自由研究1 履修者が選んだ文献について講読を行う。 (13)VTR鑑賞と討論 現代世界の平和と暴力に関連した映画の主要部分を鑑賞し、総括討論を行う。 (14)(15)夏季合宿 ディベート、文献講読、研究発表、DVD鑑賞と討論を行う。
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