日本古典文学論特殊講義T[22B6113]

科目名
Course Title
日本古典文学論特殊講義T[22B6113]
Advanced Lectures in Classical Japanese LiteratureT
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 日本語・日本文学コース クラス 日本語・日本文学コース
CCBM キャリアデザイン  
単位数 2.0単位 履修年次 24

担当教員 松岡 智之
学期 前期
曜日・時限・教室
木曜 1 2 生活科学部本館128室

受講条件・その他注意
2年次生以上の学生

授業の形態
講義,対面授業のみ

教科書・参考文献
〔教科書〕指定書籍なし。電子メール添付等の方法で、各回の授業資料を配付する。各自でプリントアウトして持参、あるいは何らかのモバイル機器で見られるようにして出席のこと。
〔参考文献〕『日本文学研究資料叢書 平安朝物語U 宇津保物語』(有精堂出版1974)、市古貞次編『新・古典文学研究必携(特装版)』(學燈社1993)、西沢正史 徳田武編『日本古典文学研究史大事典』(勉誠社1997)、田中登 山本登朗編『平安文学研究ハンドブック』(和泉書院2004)。『うつほ物語』に関する研究論文、研究書については、授業内で提示する。


ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=学期末レポート70%,授業への参加態度=15%,ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=15%

主題と目標
この授業は、受講者のみなさんが、平安時代の日本の文学作品に関する研究史を把握する方法を習得することを目指します。『うつほ物語』を具体例とします。
 近年、Web上にある研究論文データベースが充実しました。私は、学生のみなさんがこれを活用することで、自身の卒業研究の中心主題やそれに関連する分野の研究状況の把握が容易になり、その分、自身の課題追究に時間と労力とを割けるようになると期待していました。しかし、実際にはなかなかそうはなっていません。
 先祖返りするようですが、まず、紙の書籍、雑誌にある研究史概説、文献案内を手がかりにして2000年代初頭までの研究史を把握し、その上にWeb上のデータベースの検索を利用した結果を継ぎ足すことで、自分独自の、現在に至る研究史を完成させる、そうした手法を身につけていただくことを目指します。
 学期末に、「『うつほ物語』研究の歩み」の題でレポートを作成していただく予定です。
 とはいえ、研究史の解説のみを扱う授業は退屈になりがちであり、受講者のみなさんの理解も深まらないと思われますので、授業回数の約6割では、『うつほ物語』の作品読解的な解説をします。ただし、講読の授業のように一言一句を丁寧に考察することはせずに、物語の重要箇所に絞って取り上げます。


授業計画
第1回
(4月21日)【1】『うつほ物語』の概略、「俊蔭」巻(前半)俊蔭漂流譚
第2回
(4月28日)【2】『うつほ物語』「俊蔭」巻(後半)若小君物語・うつほの母子生活
第3回
《ALH1》〈めざせ 伝本画像ソムリエ〉Web上にある『うつほ物語』、『うつほ物語』古注釈伝本リスト、ガイドを作ろう
第4回
(5月12日)【3】『うつほ物語』「藤原の君」巻(前半)源正頼とその子どもたち
第5回
(5月19日)【4】『うつほ物語』の研究史概説を読む
第6回
(5月26日)【5】『うつほ物語』「藤原の君」巻(後半)三奇人たちの挿話
第7回
(6月2日)【6】『うつほ物語』「忠こそ」巻〜「あて宮」巻
第8回
(6月9日)【7】『うつほ物語』「内侍のかみ」巻・「沖つ白波」巻
第9回
(6月16日)【8】『うつほ物語』の成立と平安時代の享受
第10回
(6月23日)【9】『うつほ物語』の構想論と成立過程論と
第11回
《ALH2》〈学期末レポートへの助走〉西暦2001年以降に発表された、『うつほ物語』研究文献のリストを作り、5編以上を選んで、論文等の本文の最初の3行と末尾の3行とを写し取ろう。
第12回
(6月30日)【10】『うつほ物語』「蔵開」上中下巻〜「国譲」上中巻
第13回
(7月7日)【11】『うつほ物語』作品論の展開(1)1990年代まで
第14回
(7月14日)【12】『うつほ物語』「国譲」下巻〜「楼の上」上下巻
第15回
(7月21日)【13】『うつほ物語』作品論の展開(2)2000年代以降

時間外学習
講義中に現れた用語について、辞書・事典類を活用し、理解を着実にする。講義中に部分的に扱った研究論文等について、全体を読み、要旨をまとめる。講義中に扱った物語本文について、自身で現代語訳を作り直す。
また、西本香子氏制作のYou Tube 動画を視聴する。授業内容との対応は次の通り。
【1】=西本香子の『うつほ物語』講座15〜25
【2】=西本香子の『うつほ物語』講座26〜30
【3】=西本香子の『うつほ物語』講座31〜38
【4】=西本香子の『うつほ物語』講座11〜14
【5】=西本香子の『うつほ物語』講座39〜47
【6】=西本香子の『うつほ物語』講座48〜


学生へのメッセージ
 平安時代の日本文学を卒業研究の主題にしようと考えている方はもちろん、そうではない方も、人文科学のある分野に関する研究史を整理、把握することにご関心のある方は、受講してみてください。