生命と環境25 トランス・サイエンス論入門(演習)[16A2028]

科目名
Course Title
生命と環境25 トランス・サイエンス論入門(演習)[16A2028]
Life and Environment 25:trans-science(practice)
科目区分・科目種 文理融合リベラルアーツ クラス 全学科
CCBM キャリアデザイン  
単位数 2.0単位 履修年次 24

担当教員 長谷川 直子
森 義仁
小谷 眞男
学期 後期
曜日・時限・教室
月曜 3 4 @共通講義棟1号館204室 A共通講義棟1号館203室

受講条件・その他注意
本科目は後期に開講されるため、前期にすでにLA演習・実習・実験科目を履修した場合でも、履修登録可能である。履修希望者は、後期履修登録期間中に各自履修登録を行うこと。ただし、演習という性格上、受講希望者が多い場合には抽選を行う。そのため、受講希望者は、初回(10/3の予定。初回の集合場所は共通講義棟1号館204室)の授業に必ず出席すること。 
また、本演習は「LA生活世界の安全保障26(演習)」と実質的には同一科目であり、どちらの科目名で履修登録しても構わない。ただし定員については、各科目上限20名、両科目の履修登録者合わせて上限を40名までとする。演習じたいは両科目履修者合同でおこなう。

授業の形態
講義,演習

教科書・参考文献
(参考文献)
村上陽一郎『文化としての科学/技術』岩波書店、2001年
小林傳司『トランス・サイエンスの時代:科学技術と社会をつなぐ』NTT出版、2007年
平川秀幸『科学は誰のものか:社会の側から問い直す』NHK出版(生活人新書)、2010年
など

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=(学期末),発表,授業への参加態度=(討論への貢献度)

主題と目標
トランス・サイエンス論では、「サイエンスが必要なのだが、サイエンスだけでは答えることのできない問題」について議論する。このようなタイプの問題には、大きく分けて二つの種類がある。ひとつは、その問題に対するサイエンスじたいの答えがまだ定まっていないのに、それでもそのようなグレーゾーンの問題について何か社会的な決定が必要な場合である。もうひとつは、価値観の違いや政治・経済などの社会的要素を抜きにできないような場合である。両者が組合わさっている場合も多い。このような「社会のなかの科学」という観点から、サイエンスと社会の関係について考えるというのが本科目の趣旨である。3学部から1名ずつ、計3名の教員が共同で担当する。
問題となるトピックの例としては、歴史的には公害が典型であるが、その他にもたとえば環境ホルモンや遺伝子組み換え作物の規制、BSE問題、食品添加物の基準値設定、子宮けい癌ワクチンなど予防接種のあり方、原子力発電所再稼働の安全性評価、人工生殖医療や臓器移植と生命倫理、ダム建設の是非、情報技術の進展にともなう社会的問題、等々がある。
このような問題を、市民や行政・企業、そしてサイエンティストがどのように協力して解決していくべきかを検討するのがトランス・サイエンス論の目的である。
トランス・サイエンス論的な問題について、専攻を超えて共同で検討することはリベラル・アーツにふさわしい。その後の専門を深めていく上でも、企業や行政を支える職業人としても、そして現代社会を担う一人前の市民になるためにも、本科目での演習は貴重な経験となるだろう。

授業計画
サイエンスを超越した問題(サイエンスが必要なのだがサイエンスだけでは解決できない種類の問題)について考える。
トランス・サイエンス論的な問題としては、たとえば環境問題や公害、ダム建設の是非、地球温暖化リスクとCO2規制、防災対策、原発再稼働、遺伝子組換え食品、BSEリスクと牛肉規制、食品添加物、子宮けい癌予防ワクチンや風疹などの予防接種の是非、人工生殖医療や臓器移植などと生命倫理、環境ホルモンのリスクと化学物質規制、複合汚染、水質汚濁、情報技術の進展にともなう社会的問題、等々の問題が考えられる。
例えば、化粧品開発のリスク管理という問題を考えてみよう。化粧品の安全性は重要な問題であるが、他方、絶対的な安全性を保証しようとしたら実際には際限のない実験をしなければならならくなる。ではどうしたらよいか?消費者の立場、企業の立場、行政の立場、そしてサイエンスの立場からは、それぞれどのようなことが言えるだろうか。お互いに協力し合って最も望ましい意思決定をするにはどのような社会的仕組みが必要であろうか。また、化粧品を使ったことにより何か実際にトラブルや被害が生じたとき、その社会的責任の所在や程度についてはどのように考えるのが妥当であろうか。サイエンティストはこのような問題にどのような形で貢献できるだろうか。こういった問題がトランス・サイエンス論的な問題であり、本演習ではこのような問題について、手分けして調べ、考え、お互いに議論する。
始めに、トランス・サイエンスの典型的なトピックを取り上げて、映像資料を見たり、基本文献を読んだり、担当教員の講義を聞いたりといったウォーミングアップを3回程度行う。
その後、グループディスカッションで、トピックスごとに、科学者、市民、行政、企業、ファシリテーターなどの役割分担を行い、コンセンサス会議などを行う。

時間外学習
発表準備のための時間外学習が相当程度あります。

学生へのメッセージ
「社会のなかの科学」を考えるためには、いわゆる文系・理系の枠を超えた、突っ込んだ話し合いが必要になってきます。それが、科学が社会に貢献するための不可欠な考慮事項になりますし、社会と科学の望ましい関係を作っていくための条件になります。そういうわけで、本科目へのさまざまな専攻からの参加を強く期待しています。

学生の問い合わせ先
文教育学部人文科学科:長谷川直子
理学部化学科:森義仁
生活科学部人間生活学科:小谷眞男
学生の所属にかかわらず、上記いずれの教員に問合せても差し支えない。