西洋史研究法(1)[22B5408]

科目名
Course Title
西洋史研究法(1)[22B5408]
Introduction to European History (1)
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 比較歴史学コース クラス 比較歴史学コース
カラーコード キャリアデザイン  
単位数 1.0単位 履修年次 2

担当教員 安成 英樹
学期 1学期
曜日・時限・教室
火曜 7 8 文教育学部1号館301室

(1)、(2)が付く科目の履修方法
この科目は、(1)及び(2)を連続して履修してください(シラバスは両方とも確認してください)。
ただし留学により連続して履修できない場合は、担当教員に申し出てください。

受講条件・その他注意
とくになし(主たる対象は、比較歴史学コース2年生、比較歴史学を副プログラムとして選択しようという学生も受講して欲しい)。原則として(1)(2)を連続して履修してほしい。

授業の形態
講義,一部対面授業あり

教科書・参考文献
教科書はとくに定めない。参考文献については、授業中にできるだけ多く紹介する予定である。

ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=50%,授業への参加態度=40%(授業中の発言・質問など授業への貢献度),ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=10%

主題と目標
本授業は、歴史学、とりわけ西洋史学の研究を進めていくうえで、もっとも基本的かつ必要な技術・方法を習得してもらうことを目的とする。西洋史学の分野で卒業論文を書く予定(希望)の学生は、できるだけ受講してほしい。授業で取り上げるテーマは、前半はこれまで蓄積されてきた歴史学の研究方法やその意義、史料論、最新の歴史研究方法、史学史などについて紹介し(講義形式)、後半は辞典類の引き方や事項の調べ方、研究文献の有無やその所在場所の探し方、専門雑誌の利用方法、パソコンやインターネットの利用方法など、実用的・具体的な授業(演習形式)を行いたいと考えている。また、卒業論文の書き方についても適宜触れていきたい。

授業計画
 この授業では過去のさまざまな時代の歴史観、歴史の書かれ方について紹介する。いわゆる史学史的な知識を身につけて欲しい。授業で取り扱うテーマはおおむね以下のものを予定している。基本的に(1)(2)を連続して履修して欲しい。なお、序論から第1章(3)までを西洋史研究法(1)で、第1章(4)から(7)までを西洋史研究法(2)であつかう予定。また第2章の有益なツールの紹介は、ALHを使って実施する予定。詳細は初回授業時に説明する。もし留学等の理由で研究法(2)が履修できないという人は、授業初回に相談してほしい。
なお、現在の状況ではまず初回はオンラインを想定している。とはいえ、状況を見て対面授業を増やしていきたいと考えている。
 序 歴史学とはなにか(第1回〜第2回)
    歴史学の研究方法、史料、歴史学と文学等
 第1章 各時代の歴史観と歴史作品(第3回〜13回)
  (1) 古代の歴史家と歴史作品
      神話と歴史、ヘロドトス・トゥキュディデス・ポリュビオス
  (2) 中世の歴史叙述
      キリスト教史観、世界年代記
  (3) ルネサンスの歴史叙述
      宗教改革の影響、マキャヴェリ『君主論』
  (4) 啓蒙思想期の歴史観
      ヴォルテール、チュルゴー、モンテスキュー、コンドルセ
  (5) マルクスの史的唯物論
      アダム=スミス、発展段階論、近代化論、大塚史学
  (6) 19世紀アカデミズム史学の成立
      ランケの歴史主義、史料批判の確立、「職業的歴史家」の誕生
  (7) 『アナール』学派の誕生
      ブロックとフェーヴル、社会史・全体史への指向
      ブロック『王の奇跡』
      ブローデル『地中海』
  (8) 歴史人口学の世界
      グベール『ボーヴェとボベジ』
 第2章 歴史学における情報検索(第14〜15回、アクティブラーニングアワー1・2で実施)
  (1) 情報検索の有用なツール群
      『史学雑誌』回顧と展望、「西洋史卒論の書き方」
  (2) インターネットでの情報検索
      お茶大図書館の使い方、電子ジャーナル
      比較歴史学所蔵図書の検索方法、等
  (3) 卒論を書くということはどういうことか
 まとめ

 授業では、各時代の歴史家や歴史作品を紹介しながら、その時代の歴史観や歴史叙述の特徴を論じる。あわせて有益な研究ツールの総括的説明を行い、文献や資料の探し方、集め方など、今後必要になってくる実践的な方法を教授する。また歴史学におけるパソコンの利用方法、あるいはインターネットを通じての文献検索や情報の取得方法(その際の注意点)などについても適宜あつかっていく。また、歴史の専門論文とはどういうものか(注の付け方などテクニカルなものも含めて)、その論拠とする史料にはどのようなもので、どんな利用方法があるのか、など具体的で「役に立つ」授業を目指したい。なお、授業中に簡単な感想やレポートを書いてもらうことがある(数回程度)。こうしたレポートと期末レポート(2000字程度)等を主たる評価ポイントとして、成績をつける。

時間外学習
授業中に扱った歴史書、歴史作品、あるいはその著者の評伝など、関連する文献を読んで欲しい。

学生へのメッセージ
授業に積極的に参加し、活発な質問・議論を行ってくれることを期待する。なお、office hour は、原則として木曜の12:20〜13:10。それ以外の日に関しても、随時相談にきてもらってかまわない(事前にアポイントメントを取ってもらえるとありがたい)。

学生の問い合わせ先
E-Mail: yasunari.hideki@ocha.ac.jp
Office Hour:木曜12:20〜13:10