生物物理化学[22C3048]

科目名
Course Title
生物物理化学[22C3048]
Biophysical Chemistry
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 化学科 クラス 化学科
カラーコード キャリアデザイン  
単位数 2.0単位 履修年次 34

担当教員 山口 芳樹
沼本 修孝
相川 京子
学期 前期
曜日・時限・教室
水曜 7 8 @理学部2号館405室 A理学部1号館421室

授業の形態
講義

教科書・参考文献
(山口)参考書:クーパー生物物理化学(化学同人)
(沼本)同上

ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=(山口)レポート=80%,授業への参加態度=20% (沼本)レポート=50%,授業への参加態度=50%,授業への参加態度=(山口)レポート=80%,授業への参加態度=20% (沼本)レポート=50%,授業への参加態度=50%

主題と目標
山口)生物は物質を基礎として構成されたものであることは間違いないが、その現象は物理学の視点からは理解し難い場合が多い。生物学には解けない問題がまだ多く残っている。それでも生物学の諸問題に物理学や化学の考え方をもって取り組むのは重要である。本講義では物理化学的な視点から生命現象を議論することを目標とする。
(沼本)タンパク質をはじめとした生体高分子の立体構造を原子分解能で決定し、構造情報として蓄積することは、生命現象の根源的理解とともに創薬や産業応用の面でも欠かせないものとなっています。本講義では、タンパク質立体構造解析で最も汎用的に用いられているX線結晶構造解析法と、近年急速に発展し浸透してきたクライオ電子顕微鏡による構造解析法を習得し、あわせてその構造情報を利用することを学習します。

授業計画
第1回
4/20:沼本 生体高分子と構造生物学
第2回
4/27:沼本 生体高分子のX線結晶構造解析法の原理1
第3回
5/11:沼本 生体高分子のX線結晶構造解析法の原理2
第4回
5/18:沼本 生体高分子構造情報データベースの利用
第5回
5/25:沼本 クライオ電子顕微鏡によるタンパク質構造決定
第6回
6/1:山口 生体分子(アミノ酸、タンパク質、主鎖2面角、高次構造、立体構造形成)、ALH説明
第7回
6/8:山口 分光学(電磁波、紫外線・可視光線、吸光度、円偏光二色性、蛍光)
第8回
6/15:山口 量子力学の基礎(不確定性原理、物質波、波動関数、量子数)
第9回
6/22:山口 核磁気共鳴(NMR)法(ゼーマン分裂、ボルツマン分布、核スピン)、構造生物学(X線結晶構造解析、NMR)
第10回
6/29:山口 分子量・質量分析(質量の表現、イオン化)、クロマトグラフィー・電気泳動(物質の分離の原理)
第11回
7/6:山口 統計力学の基礎・熱力学(ボルツマン分布とエネルギー)
第12回
7/13:山口 反応速度論(速度定数、反応の次数、アレニウス式)
第13回
7/20:山口 生体分子の相互作用解析・1分子(結合定数、速度定数)

時間外学習
(山口)毎回の講義後に小テストを行うので、あらかじめ予習をしておく。次回の講義はその小テストの解説を行うので、復習をする。
(沼本)毎回の講義、実習後に理解を補うための簡潔な課題を出します。併せて、初回講義時にいくつかの書籍、論文を紹介しますので、興味のある方は読んでみてください。

学生へのメッセージ
(山口)既存の価値観や考え方にとらわれることなく生物の諸問題に取り組むことが重要になっています。物理化学的な”視点”で生命現象を捉えることは、新しい発見につながっていきます。
(沼本)生体高分子の立体構造を知り、生命の諸現象を化学の視点から解明しようとするのが構造生物学ですが、それはタンパク質X線結晶構造解析法の確立から始まりました。そして、X線の発見後ただちにこれを生物学研究に使うことを思いついたのは物理学者たちです。物理学、化学、生物学それぞれの協働により明らかにされてきたタンパク質立体構造の巧妙さ、美しさに触れていただければと思います。

学生の問い合わせ先
山口芳樹(e-mail: yyoshiki@tohoku-mpu.ac.jp
沼本修孝(e-mail: numoto.str@mri.tmd.ac.jp)