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生活法学演習T
[22D0719]
科目名
Course Title
生活法学演習T
[22D0719]
Seminar on Citizens and the Law T
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種
生活社会科学講座
クラス
生活社会科学講座
カラーコード
キャリアデザイン
単位数
2.0
単位
履修年次
3
年
担当教員
小谷 眞男
学期
前期
曜日・時限・教室
金曜
3
〜
4
限
生活科学部本館303室
受講条件・その他注意
人数制限あり。
授業の形態
演習,対面授業のみ
教科書・参考文献
テキストなし。参考文献資料類は開講時に紹介する。
ALH区分
ALHとして実施
評価方法・評価割合
発表=50%(担当回の報告内容),授業への参加態度=30%(討論への貢献度等),ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=20%(ALHレポート2回分)
主題と目標
生活法学演習は、消費者法に一定のウェイトを置く方針を取るが、2022年度は、19〜21年度に続き、消費者法以外の分野を扱う。
[2022年度前期テーマ] 法と文学
「詩人は、世界の公認されざる立法者である」(P.B.シェリー)
2022年度の小谷ゼミでも、この世離れしたテーマのほうに向けて意識的に迂回してみる。
法の根源を突き詰めていくと、法と文芸との抜き差しならない関係が浮かび上がってくる。
たとえば、シェイクスピアの『ハムレット』からは、近代法成立期イングランドにおける、復讐と法をめぐる時代の格闘を読み取ることができる。A.カミュの『異邦人』は、殺人犯ムルソーの刑事裁判の物語を通して、現代フランスにおける裁判の虚構性を暴く。鷗外の「高瀬舟」を読めば、安楽死の是非という永遠の法的テーマについて問題意識を喚起されざるをえない。
「法と文学」においては、法を物語論的に理解しようとする。 物語こそは、その物語を共有する「われわれ」の生きる現実世界の中のものごとに形を与え、しばしばそれらに「現実」という資格を授けるからである。法廷における事実認定も、実は「もっともらしさ」に対する言わば「詩的」判断に左右されるところが大きい。法ルール以前に、一定のフィクションを共有すること、この共通感覚(common sense)こそが、「われわれ」をひとつの解釈共同体にし、説得を競う場を実質的に存立せしめている。このような意味で、法とは、言わば「説得のための手立て」(ピスティス)、つまりは〈文化〉の構築プロセスそのものでもある。歴史を作りあげていく人間の動機やsense of justiceは、物語との関係でより良く理解できる。
「われわれ」がどのような文芸を持つかということと、「われわれ」がどのような法を持つかということ、そして「われわれ」がどのような歴史を持ち、どのような人々であるかということは、それぞれ全くパラレルの関係にある。
このような見地から、"法としての文学/文学としての法" の意外な関係を吟味し、「われわれ」について考え直してみようというのが、2022年度小谷ゼミの趣旨である。
授業計画
教科書は用いないが参考文献を適宜紹介する。具体的な作品候補はたとえば以下:
ソフォクレス『アンティゴネー』、エウリピデス『メディア』などのギリシャ悲劇
アリストファネス『女の平和』『女の議会』などのギリシャ喜劇
ダンテ『神曲』
シェイクスピアの全作品(とくに『リア王』『ジュリアス・シーザー』『ベニスの商人』)
スタンダール『赤と黒』
ホーソーン『緋文字』
コッローディオ『ピノッキオ』
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』
カフカ『審判』
太宰治『走れメロス』、などなど(他にもいくらでもあります)
2022年度後期のテーマについては、あらためてゼミ参加者と相談して決める。ただし後期は、4年生の卒論中間報告(10月)や3年生のゼミ論中間報告(11月)も組み込む。
ALHについては以下のレポートを課す予定。
1)法廷傍聴レポート
2)リーディングケース研究レポート
時間外学習
担当回の報告準備に相当の時間を要する。ALHについては計画欄参照。
学生へのメッセージ
クリエイティブな発表を期待する。2022年度後期のテーマについては、あらためてゼミ参加者と相談して決める。ただし後期は、4年生の卒論中間報告(10月)や3年生のゼミ論中間報告(11月)も組み込む。
学生の問い合わせ先
office hours:Monday 13:00-14:50 e-mail:kotani.masao@ocha.ac.jp