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数理物理学特論
[24L1025]
科目名
Course Title
数理物理学特論
[24L1025]
Topics in Mathematical Physics
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種
物理科学コース
クラス
理学
コンピテンシー
○批判的思考力,○創造的思考力,○問題解決力
カラーコード
単位数
2.0
単位
履修年次
1
〜
2
年
担当教員
出口 哲生
学期
前集中
日程・時限・教室
2024/08/26
3
〜
8
限
(10:40
〜
16:30)
理学部1号館207室
2024/08/27
3
〜
8
限
(10:40
〜
16:30)
理学部1号館207室
2024/08/28
3
〜
8
限
(10:40
〜
16:30)
理学部1号館207室
2024/08/29
3
〜
8
限
(10:40
〜
16:30)
理学部1号館207室
2024/08/30
3
〜
8
限
(10:40
〜
16:30)
理学部1号館207室
受講条件・その他注意
特になし。ALHとして、授業の感想などをレポートとして提出する。
授業の形態
講義
教科書・参考文献
[1] 出口 哲生、1次元量子系の厳密解とベーテ仮説の数理物理、
物性研究 Vol. 74-3 (2000-6) pp. 255-319.
ALH区分
ALHを実施しない
アクティブラーニングの技法
ミニッツペーパー(リアクションペーパー)
評価方法・評価割合
小論文(レポート)=50%,授業への参加態度=40%
主題と目標
統計力学における厳密に解ける模型および1次元量子スピン系における可積分模型を
解説し、その物理的応用を議論する。最近、レーザー閉じ込めを用いて1次元冷却原子系が実現され、さらに、1次元可積分系が性質が実験で調べられている。
このため、厳密解を用いて量子系の多体問題を従来よりもはるかに深く議論することが可能となった。
本集中講義では、1次元可積分量子系の基礎を分かりやすく解説する。
授業計画
1次元可積分量子系におけるベーテ仮設の方法を系統的に解説する。
1次元可積分量子系とは、相互作用する量子多体系ではあるが、ベーテ仮設の方法を用いることにより、系のハミルトニアンの全ての固有ベクトルと固有エネルギーを求めることができる系のことを意味する。
(1)厳密に解ける1次元可積分模型の紹介。
(1-1) 1次元量子ハイゼンベルグ模型(XXX鎖)のべーテ仮設波動関数の導出。
代表的な可積分量子系として量子XXX鎖を取り上げ、最初に、波動関数に対するべーテ仮設の方法を説明する。すなわち、固有波動関数の形を仮定して、ハミルトニアンの作用の下に、固有関数となる条件を導き、
条件すなわちベーテ仮設方程式の解を求めることにより、固有ベクトルを導く、という方法である。
(1-2) 反強磁性XXX鎖の基底状態とギャップレス素励起。
(2)転送行列の方法。6頂点模型とYang-Baxterの解。
誘電体の模型である6頂点模型を導入する。
6頂点模型に対するYang-Baxter 方程式の解を導き、6頂点模型の転送行列が交換することを示す。
(3)代数的べーテ仮設法と量子XXX鎖のR行列。
次に、代数的ベーテ仮設の方法を系統的に説明する。
最初に、図形的解釈を用いて、代数的ベーテ仮設の方法を導入する。
ヤン・バクスター関係式を演算子の間の交換関係とみなして、
代数的ベーテ仮設を導入する。
1次元量子系と2次元古典統計力学系の対応関係に基づいて、
6頂点模型の転送行列から、1次元量子ハイゼンベルグ模型のハミルトニアンを導く。
(4)代数的べーテ仮設法による固有関数の導出。量子逆散乱問題の公式。
演算子の間の交換関係を用いて、B演算子の積の形で固有ベクトルを構築する。
固有ベクトルとなるための必要条件として、ベーテ仮設方程式が導かれることを示す。
(5)1次元ボース気体の厳密解と冷却原子系の実験。
1次元デルタ関数型相互作用のボース粒子系(Lieb-Liniger 模型)の厳密解を解説し、
冷却原子系の実験との関連を述べる。
上記の内容に関して、一つの項目で2回か3回の講義により解説する。
合計で、全15回分の講義を集中講義形式で連続して行う。
時間外学習
教科書を批判的に読んで、できる限り自分の頭で授業内容を理解しようと努力することが望ましい。教科書に書いてあることが間違っている可能性も十分に存在する。
学生へのメッセージ
計算を自分で手で書いて追うことにより、はじめて理解できると思います。もし必要であれば、現在作成中の教科書の一部を授業中に配布して補足することも考えています。