統計学[23A0013]

科目名
Course Title
統計学[23A0013]
Statistics
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 基礎講義 クラス 全学科
コンピテンシー ◎創造的思考力,◎問題解決力,○省察的思考力
カラーコード
単位数 2.0単位 履修年次 14

担当教員 池田 和正
学期 後期
曜日・時限・教室
月曜 1 2 共通講義棟1号館304室

受講条件・その他注意
高校1年の数Tの「データの分析」と数Aの「場合の数と確率」の内容は既知とします. 平均(期待値), 分散, 標準偏差, 共分散, 相関係数や条件付き確率, 事象の独立について忘れてしまった人や習ってない人は, 勉強しおくこと.
高校2年の数Bの「確率分布と統計的な推測」の内容は仮定しませんが, 予習しておくと授業について来るのが楽になると思います.
数IIIの内容は仮定しませんが, ポアソン分布や正規分布に指数関数が出てくるので慣れておいた方が良いです.
「数IIIをやってないと, ついて行けませんか?」と言いに来る子の多くは高校1,2年の数学に不安があるので, しっかり復習しておくこと.
授業への参加度を重視します.
欠席や遅刻, 途中退出は減点になります. トイレは授業前に行っておくこと.
授業中の通信, 撮影機器などの使用は禁止です.
レポートや答案は返却しないので, 必要に応じて自分用の記録を残してください.
進級や就職の都合で成績に関して依頼をすることは, 不正行為とみなされます. 追加の課題や試験はありません.
約70分間講義をし, 約20分間小テストをします.
小テストは出席の確認を兼ねるので, 途中でも提出して下さい.

授業の形態
講義,演習,対面授業のみ,実施方法検討中

教科書・参考文献
教科書:2023年度後期の教科書は
上野健爾監修「高専テキストシリーズ確率統計(第2版)」森北出版 ISBN 978-4-627-05562-9
参考書:
村上哲也著「モノグラフ22 統計」フォーラムA企画 ISBN 978-4-894-28185-1
上野健爾監修「高専テキストシリーズ確率統計 問題集」森北出版 ISBN 978-4-627-05621-3
E.クライツィグ著「技術者のための高等数学7 確率と統計」培風館 978-4-563-00566-5
柴田文明著「理工系の基礎数学 新装版 7 確率・統計」岩波書店 978-4-000-29919-0

毎回, 講義資料を配布する.

ALH区分
ALHを実施しない

アクティブラーニングの技法
復習テスト

評価方法・評価割合
期末試験=約30%,中間試験=約30%,授業への参加態度=約25%,ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=約15%

主題と目標
授業のテーマ:
確率と統計の入門的講義を行う.
基本目標:
日常に出会う簡単なデータから, 直感的に正しい判断が下せるようになる. そのために, 以下に掲げたような具体的な確率や統計の問題解決を体感する.
到達目標:
(1) 期待値, 分散, 標準偏差の意味がわかり, 計算ができ, 性質を理解する.
(2) 有名な離散確率分布や連続確率分布を覚え, その性質を理解する.
(3) 標本(サンプル)からの点推定を行う手法とその性質を学ぶ.
(4) 信頼度の概念を理解し, 簡単な区間推定が行えるようになる.
(5) 片側検定, 両側検定, 帰無仮説, 検定統計量, 有意水準(危険率), 棄却域といった単語の意味を理解し, 簡単な検定が行えるようになる.
評価について:
体育, 実験や演習と同じで, 授業をサボタージュした人は評価が下がります.
例年, 文系の人も大勢いるので, 大学数学の知識の有無で差がつかないように配慮します.

授業計画
第1回
教科書に沿って講義・演習を行う. 前半は確率・収束, 後半は推定・検定がメインである.
事象と確率:事象, 確率
第2回
高校1年で習った確率の基礎を見直すため, 確率のパラドキシカルな現象にまつわる演習を行う. 代表例として, シンプソンのパラドックス, モンティ―ホール問題, ベルトランの箱のパラドックス, サーベロニの問題など.
第3回
事象と確率:条件付き確率・事象の独立
確率変数とその分布:基本的な確率変数とその分布
第4回
確率変数とその分布:分布関数, 期待値
第5回
多変量確率変数:確率変数の独立性, 同時分布,共分散,相関係数
第6回
多変量確率変数:多項分布, 多次元正規分布
第7回
大数の法則と中心極限定理:大数の法則, 中心極限定理
第8回
中間試験と解答解説
第9回
統計的推定:標本分布, 点推定
第10回
統計的推定:区間推定
第11回
統計的仮説検定:検定における論証方法の概要
第12回
統計的仮説検定:正規母集団の母平均の検定
第13回
推定や検定に関する演習.
第14回
統計的仮説検定:正規母集団の母分散の検定
第15回
統計的仮説検定:二項母集団の母比率の検定
第16回
期末試験と解答解説

時間外学習
高校1年の数Tの「データの分析」と数Aの「場合の数と確率」の内容は既知とするので, 平均(期待値), 分散, 標準偏差, 共分散, 相関係数や条件付き確率, 事象の独立について, 復習或いは独習しておくこと.
高校2年の数Bの「確率分布と統計的な推測」も予習しておくとよい.
ポアソン分布や正規分布に指数関数が出てくるので慣れておくこと.
前の週に指定した教科書の範囲を読んでおくこと. 授業でやった範囲の, 教科書の例題や問題を解くこと.
講義資料の問や小テストを復習しておくこと.

学生へのメッセージ
確率0なら起らない?
183人集まって, 初めて誕生日が同じ人のいる確率が50%を超えるだろうか?
A大とB大で, A大の方が学部生も院生も就職率が良ければ, 合計でも良いだろうか?
致死性の難病の検査で陽性になったらすぐに遺書を書くべきか?
1本300円の宝くじで, 1000万人に1人が4億円当たる
ものと, 2人に1人が80円当たるものではどちらを買いたい?
スーパーのレジで, フォーク並びと川の字並びのどちらが待ち時間が少ないでしょうか?
視聴率3%と言われたとき本当は何%?
こうした話に興味のある人は, 受講してみてください.
文系の人にもお勧めします.

学生の問い合わせ先
本人確認ができないこともあり, 個別にメール等で返信することはできかねます. ご了承下さい. 質問は授業やその前後でお願いします.