生活経済学[24D0716]

科目名
Course Title
生活経済学[24D0716]
Everyday Economics
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 生活社会科学講座 クラス 生活社会科学講座
コンピテンシー ◎批判的思考力,◎省察的思考力
カラーコード
単位数 2.0単位 履修年次 2

担当教員 斎藤 悦子
学期 前期
曜日・時限・教室
金曜 5 6 生活科学部本館127室

授業の形態
講義

教科書・参考文献
資料等は講義中に配布する。

ALH区分
ALH(自発的な学習時間枠)※を実施する

アクティブラーニングの技法
授業前レポート

評価方法・評価割合
期末試験=50,小論文(レポート)=30,授業への参加態度=20

主題と目標
本講義の主題は、私たちが生涯を通じて主体的に豊かに生きるために、経済社会と人間の労働力(人間活動力)がいかに関わるのかを解明することです。生活経済学の源である経済学、家政学(生活科学)、社会政策学の蓄積を踏まえ、世帯をとりまく諸問題を家計(実態生計費や理論生計費)、生活時間、収入労働と無報酬労働の観点から検討します。市場経済の中で持続可能な社会や生活を創造するために何が必要かが、今、問われています。本講義では世帯や個人の状況を@働き方、Aジェンダー、B地域の視点で分析し、新たな生活様式の在り方を考え、提案することができるようになることを目標としています。

授業計画
第1回
ガイダンス 生活経済学とは何か
生活経済学の目的、対象とその成り立ちについて説明する。
第2回
市場経済における生活経済の3つの視点
本講義の目的を論じた上で、使用する3つの視点(1.働き方、2.ジェンダー、3.地域)について説明する。
第3回
日本の世帯とその構成ー生活経済を把握するための基礎知識ー
生活経済学で使用する世帯と家族概念のとらえ方、日本の世帯構成の変化、政府統計(家計調査と全国消費実態調査)を読み解くための基礎知識を説明する。
第4回
家計調査について
日本における家計調査の変遷と家計調査の構造について説明する。
第5回
世帯別にみた家計収支の現状(ALH)
家計調査を世帯別に検討し、現状を把握する。家計調査データを用いたレポートの作成。
第6回
貯蓄と負債ー日本の持家政策ー
家計調査から貯蓄と負債の世帯別現状を把握する。さらに日本の持家政策について論じる。
第7回
理論生計費について(1)
貧困研究の歴史と理論生計費概念について説明する。
第8回
理論生計費について(2)
家政学者(生活科学者)が行った理論生計費算定研究を紹介する。さらに、現在、問題視されている最低賃金と生活保護水準について検討する。
第9回
現代における最低生活費の検討(ALH)
理論生計費算定を理解したところで、現代の最低生活費を考えてみる。
各自あるいはグループでワークを行う。
第10回
現代における最低生活費の検討結果の発表
ALHで検討した結果を、各自あるいはグループで発表し、議論を行う。
第11回
生活時間について
生活時間調査(社会生活基本調査)について学び、社会生活基本調査を用いて、ジェンダー、地域別の生活時間を検討し、ワーク・ライフ・バランスについて考察する。
第12回
ペイド・ワークとアンペイド・ワーク
社会生活基本調査を用いて、収入労働時間=ペイドワーク時間と家事労働時間=アンペイドワーク時間のジェンダー格差を確認し、そこに生じている問題を検討する。
第13回
アンペイド・ワーク(家事労働)の貨幣評価
アンペイドワーク問題をめぐる世界動向を紹介し、貨幣評価の手法と日本における評価結果を示す。さらに各自のアンペイド・ワーク時間から貨幣評価を行う。
第14回
地域通貨の可能性
貨幣評価以外の方法として、市場経済に対抗し、地域住民の協同により新たな生活様式を創造している地域通貨論を紹介する。
第15回
生活経済学の新たな展望
個人や世帯の視点から生活の現状を考察した。生活の質を向上させるためには何が必要か。生活の社会化はどうあるべきか。テクノロジーの進展と生活の質の向上はどのように関わるのか。最終回はディスカッションを行う。

時間外学習
授業の最後に次回の予習内容をお伝えしますので、それに基づき準備を行うこと。

学生へのメッセージ
日頃、みなさんが生活上で感じていることが、この講義の主要なテーマです。日常生活や社会の動向について常に関心を持ってください。講義を通して自分の視点とは異なる別の視点があることに気づくことができるかもしれません。

学生の問い合わせ先
問い合わせ先は授業の中でお知らせします。