アントレプレナーシップ演習(ディープテック編)[25N3062]

科目名
Course Title
アントレプレナーシップ演習(ディープテック編)[25N3062]
Education Program for Entrepreneurship(Deep Tech Innovation)
科目区分・科目種 全学共通科目 クラス 全学科
コンピテンシー ◎創造的思考力
カラーコード
単位数 2.0単位 履修年次 14

担当教員 太田 裕治
゙ 基哲
学期 前不定期

受講条件・その他注意
開講に関する最新情報は Moodle/ポータルサイトを見て確認してください。また、公式HP(https://entredu.t.u-tokyo.ac.jp/)にても確認すること。

◎2023年度にアントレプレナーシップ関連科目を大幅に増やしております。キーワード「アントレプレナー」で他の科目も検索してみてください。また、次のページも参照してください。→https://www.te.ocha.ac.jp/gakubumenu/d014662.html

■■■重要■■■ 本講座では、YouTube上で講義動画を公開するため、外部業者による撮影が入ります。本講座は各界のエキスパートを交えた、東京大学のアントレプレナーシップ教育の中でも最もアドバンストな位置付けの講座であり、その一端でも広く世に提供したいという考えに基づきます。撮影の対象は、受講者のグループワーキングの様子、実験の様子、発表の様子、等です。受講に際しては、撮影・公開について了承の上、履修登録してください。(本件について、疑問点があれば、教室で、担当者に確認して下さい。)


【本講義は2023年1月に東京大学との間で締結された「連携及び協力に関する包括協定」に基づき実施される講義です.東京大学が開講する講義:全学体験ゼミナール「ディープテック起業家への招待」を,東京大学の学生とともに,駒場キャンパスで受講する形式となります.受講に際して質問などがあれば、担当ohta.yuji@ocha.ac.jp(共創工学部教授太田裕治)までメールで連絡してください.】

開講情報(予定)【前期(春学期)毎週木曜日16:50〜18:35 場所:駒場キャンパス 21KOMCEE (理想の教育棟)East K213】

●● 初回は4月10日木曜です。16:50に21KOMCEEに集合してください。初回はオリエンテーションですので、多少遅れてしまっても大丈夫です。(教室である、21KOMCEE (理想の教育棟)East K213、は分かりにくい・・)

授業の形態
演習

教科書・参考文献
とくにありません.関連するキーワードを参考までに以下に挙げておきます.

アントレプレナーシップ、起業、研究や技術の社会実装、研究開発型スタートアップ/ベンチャー、ディープテック/Deep Tech、グローバル、Big Picture、卓越性と多様性、アクティブラーニング、ジェンダード・イノベーション

受講生の声から:
〇本授業を通じて成長を感じた点は周りの人に助けてもらいながら課題を解決していくことです。今までは、レポート作成時は分からないことがあっても一人で解決することが多かったですし、グループワークでも本やインターネットの情報に頼ることが多かったです。しかし、この講座ではフィールドワークを通じて、その分野の最先端の人に話を聞ける機会が提供されていました。また、豊富な知識を持ったBT(ブリッジングチューター)がサポートしてくれます。ひとりで行動する何百倍ものインプット、アウトプットができました。

〇「自分にはこの講座を受講する能力がない」と思わないでください。東大の方のプロフィールを見ると、みなさん素晴らしい経歴を持っていて別世界のように思うかもしれません(私はそうでした)。けれど、話してみれば同じ大学生ですし、レポートに四苦八苦していたのはお茶大生も東大生も一緒でした。次に、積極的に人に頼ってください。担当のBTの方だけでなく、ほかのBTの方、運営の方、いろいろな方に今考えていることを相談してみると、考えが広がるし、アイディアの精度が上がります。自分から話しかけるのが怖い、という方は授業後にコマドに行ってみることを強くお勧めします。最後に、学生という身分を存分に活用して積極的にフィールドワークに行ってください。現場を知り、専門の方にお話を伺うことで事業案が深まっていきます。 ふだん社会課題について人一倍考えて、行動しているお茶大の皆さんにとって、この講座を受けることは大きな財産になると思います。ぜひ、少しでもこの講座に魅力を感じているなら受講してください。

ALH区分
ALHを実施しない

アクティブラーニングの技法
フィールドワーク

評価方法・評価割合
実習成果=100%

主題と目標
【背景】
本講座における「ディープテック起業家」とは、@技術の新規性をコアバリューとし、A産業への大きなインパクトを与え、Bグローバルイシューに取り組み世界への展開ポテンシャルを持つような事業を立ち上げられる人材を指す。「研究開発型企業」と呼ばれることもあり、総じて高い学術的専門性、多くの時間や資金を要することが特徴である。分野例としてはAI、ロボティクス、ゲノム・バイオ、素材、環境・エネルギー、量子コンピューター、ブロックチェーン、IoT・通信、宇宙、農・食などがあげられる。

近年、日本の製造業における国際競争力の低下が懸念されている中、上述した「ディープテック企業」と言えるようなスタートアップ/ベンチャー企業が少ないことが日本産業の課題と言われている。東京大学からは600社以上のベンチャー企業が生まれているものの、ITアプリケーション・ソフトウェア領域などに偏っており、本学が持つ、多様で先進的な研究成果を生かした起業はまだまだ少ないのが現状である。これは、日本の産業における課題感とも軌を一にする。

この課題解決に向け、本講座は東京大学が寄付企業4社と協力し、@ディープテック起業家の育成 A起業家育成のための教育フォーマットの構築 Bスタートアップエコシステムの創造 の3点を目指して設立された。
(過去の受講者の声なども参考にしてください。https://entredu.t.u-tokyo.ac.jp/voice/2023s/)


【目標】
i.新たな技術や発想のもとで、新規事業などを通じた社会的価値の持続的創出に挑戦する姿勢(アントレプレナーシップ)が醸成されること
ii.講座を通じた対話と自己の内省を通じ、「将来何を実現したいか、誰のどのような課題をどのような技術を用いて解決するか」を深化・進化させること
iii.講座修了後に自ら飛躍できるアクションを行えること。そのために必要な知識や経験を得るのみならず、必要な学内外の人や機会との繋がりも獲得すること

【概要】
i.将来何を実現したいか、誰のどのような課題をどのような技術を用いて解決するかを、視座を同じくする学生間チームで練り上げていく。多様な学生、本学第一線の教授陣、企業との密な関わりを通じ、学術の卓越性を基に将来地球規模の課題解決を行える人材輩出を目指す。
ii.履修は東京大学学部1-2年生(文理、科類不問)とする。マインドとしては、将来世界最先端の研究に取り組みたい、グローバルな社会課題を解決する新規ビジネスを考えてみたい、技術の事業化に関心がある、起業に関心があるという学生を歓迎する。
iii.授業は、各回の事前課題、講義、講演、FW(フィールドワーク)、発表で構成する。全体を通じて、一般的なインプットベースではなく、学生のアウトプットに重きを置く。後半の発表は1〜3名程度のチームでの発表を想定しており、チーミングについては起業の”リアル”に沿う形で、学生同士の発表から各自で仲間を集める形式とする。FWについては、授業外の時間に、学内の研究室や企業へのヒアリング、現場リサーチ(工場見学等)を行ってもらう可能性がある。最終発表に選ばれた学生は藤井総長の前で発表を行う予定。


iv.本講座の担当教員・寄付企業は以下の通り。
担当教員:
工学系研究科教授/総長特別補佐 坂田 一郎(講座代表)
工学系研究科教授 松尾 豊
工学系研究科准教授 田中 謙司
中核協力企業:
株式会社経営共創基盤(IGPI)
KDDI株式会社
東京大学共創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)
株式会社松尾研究所

授業計画
2025年度の授業計画概要は下記の通り。順序や内容については変更の可能性があるため、詳細はmoodleならびに公式ホームページ(https://entredu.t.u-tokyo.ac.jp/)にて確認すること。


第1回:オリエンテーション(4/10)

講座設立の背景説明、及び各教員と中核協力企業の問題意識、役割、期待の共有を行う。

第2〜4回:Big Pictureを描く(4/17,4/24,5/1)

東大先端研・生産研をはじめとする研究室への訪問や、既存のディープテック起業の分析等を通じて、2050年の社会における重要な課題や、それを技術でどう解決するかというBig Pictureを描く力を伸ばす。

第5〜7回:Big Pictureを事業に育てる(5/8,5/15,5/22)

ディープテック起業家、東大と関わりの深いベンチャーキャピタルやその投資先、各中核協力企業の専門家による、ピッチ・講義・ディスカッションを通じて、「未来の課題の技術による解決」を事業案という形で具体的に数字で説明できるようになる。

第8回:中間発表6/5

第9〜10回:DeepTechで起業する6/12、6/19

研究に基づく起業についての知見が豊富な経営プロフェッショナル・ベンチャーキャピタル・事業会社等の講義やディスカッションを通じて、具体的に研究者が起業をして社会にインパクトをもたらすためのプロセスや、その際に活用できるリソースについて理解を深める。

第11回:発表準備・相談会6/26

第12回:最終発表・総長対話7/3

第13回:修了式および学生・教員・企業間の交流会7/10(105分授業ですのでここで終わりです。)


◎優秀修了生に関しては、将来のディープテックユニコーン企業輩出を目指すコミュニティ”DICE(=Deep Innovation Creation Ecosystem)”に招待する。ここでは、海外研修、国内外の専門家との分野別少数勉強会、担当講師陣や過去の受講生との総会等を用意する。

時間外学習
新規の技術をコアバリューとするディープテック起業は産業への大きなインパクトを有します.日頃よりテクノロジに親しむようにしてください.

参考書

長谷川克也 (著)スタートアップ入門、東京大学出版会

東京大学未来ビジョン研究センター(編) 未来探究2050 東大30人の知性が読み解く世界、日経BP 日本経済新聞

(編著) 瀧口友里奈 ・(著) 暦本純一・合田圭介・松尾豊・江崎浩・黒田忠広・川原圭博・中須賀真一・戸谷友則・新藏礼子・富田泰輔・加藤真平、東大教授が語り合う10の未来予測 、大和書房

学生へのメッセージ
両校の学生が参加することで,より多様性に基づいた起業への発想が展開されていくと考えております.また,受講修了後には,起業に向けたコミュニティ(学生-教員-企業間のネットワーク)、起業相談などの機会も得られます.積極的な受講を歓迎します.

学生の問い合わせ先
太田裕治 共創工学部教授 ohta.yuji@ocha.ac.jp