相転移物理学[22C2015]

科目名
Course Title
相転移物理学[22C2015]
Physics on Phase Transitions
科目区分・科目種 物理学科 クラス 物理学科
コンピテンシー
カラーコード
単位数 2.0単位 履修年次 3

担当教員 出口 哲生
学期 前期
曜日・時限・教室
月曜 3 4 @共通講義棟1号館205室 A理学部1号館201室

受講条件・その他注意
熱力学および統計力学の初歩の知識を前提としますが、最初に復習もします。

ALHとして、身近な相転移現象に関して説明するレポート課題を課します。レポートのPDFファイルをMoodleでアップロードして下さい。

授業の形態
講義,対面授業のみ

教科書・参考文献
参考書:
和達三樹・十河清・出口哲生著「ゼロからの熱力学と統計力学」(岩波書店)
西森秀稔著「相転移・臨界現象の統計物理学」(培風館)
高橋和孝・西森秀稔著「相転移・臨界現象とくりこみ群」(丸善出版)

ALH区分
ALHとして実施

評価方法・評価割合
期末試験=70%,小論文(レポート)=10%,ALH(アクティブ・ラーニング・アワー)=20%

主題と目標
主題:身近な現象である相転移を統計力学的観点から理解し、解析手法を習得する。
目標:
1. 磁性体やvan der Waals気体の相転移を例にとって臨界指数を具体的に計算し、相転移・臨界現象に関する理解を深める。
2. 強磁性相転移と気相液相転移の類似性から、臨界現象の普遍性を実感する。
3. くりこみ群の考え方と手法を習得し、理論物理学における重要性を理解する。
4. 確率過程のダイナミクスの解析手法を習得する。交通流における渋滞相転移を議論し、解析手法の普遍性を実感する。

授業計画
熱力学、統計力学の知識を前提とし、
相転移・臨界現象に関する基礎的な事項を概観する。

0. 熱力学・統計力学の復習
1. 磁性体の相転移と臨界指数
 ・平均場理論
 ・1次元イジング模型の厳密解
 ・2次元イジング模型の厳密解
2. 気相-液相転移
 ・van der Waals方程式
 ・磁性体の相転移との類似性
3. くりこみ群
 ・スケール変換と固定点
 ・スケーリング則
 ・イジング模型のくりこみ群
4. 動的現象と相転移
 ・Markov過程とMaster方程式
 ・動的臨界指数
 ・1次元交通流における渋滞相転移

時間外学習
授業後に毎回ノートを復習し、分からないところがあればその都度質問して下さい。

学生へのメッセージ
授業を聞いてもし分からないことがあれば、可能な限り質問して下さい。基本的には分かりやすく説明する予定ですが、質問をすることによって理解が深まるでしょう。