量子力学V(1)[23C2121]

科目名
Course Title
量子力学V(1)[23C2121]
Quantum Mechanics V(1)
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 物理学科 クラス 物理学科
コンピテンシー ◎批判的思考力,○創造的思考力,○問題解決力
カラーコード
単位数 1.0単位 履修年次 3

担当教員 出口 哲生
学期 1学期
曜日・時限・教室
金曜 3 4 理学部1号館207室

(1)、(2)が付く科目の履修方法
この科目は、(1)及び(2)を連続して履修してください(シラバスは両方とも確認してください)。
ただし留学により連続して履修できない場合は、担当教員に申し出てください。

受講条件・その他注意
特になし。

授業の形態
講義,対面授業のみ

教科書・参考文献
準教科書: 
小形正男 著「量子力学」裳華房

参考書: 
猪木慶治・川合光 共著「量子力学I」、「量子力学 II」講談社
桜井純 著「現代の量子力学」吉岡書店
J.J. Sakurai, Modern Quantum Mechanics, Addison Wesley
G. Baym, Lectures on Quantum Mechanics, Benjamin/Cummings Publ. Co.

ALH区分
ALHを実施しない

アクティブラーニングの技法
AL技法は授業に用いない

評価方法・評価割合
期末試験=80パーセント(夏休み前のレポート問題の中から類題が出題される),小論文(レポート)=20パーセント

主題と目標
量子力学の様々な基本的応用を議論する。量子力学IおよびIIの続編ではあるが、量子力学IIIから聴講しても理解できるように、基礎を復習しながら講義する。最初に量子力学の基礎を1次元の量子系で復習した後に、同種粒子系と量子統計性、パウリ原理、角運動量の合成などを議論する。電磁場中の粒子の量子力学、さらには電磁場の量子化、光の吸収と放出などを議論する。時間的余裕があれば、散乱問題や第二量子化等も説明する。

授業計画
[1] 量子力学の基礎の復習(2.5回程度)
(1-1) 原子や分子の系と正準量子化の方法
(1-2) ハミルトニアンとシュレーディンガー方程式
(1-3) 波動関数の物理的意味(ボルンの確率解釈)
(1-4) エネルギー固有状態(時間に依存しないシュレーディンガー方程式)
(1-5) 1次元量子系の例:無限系と分散関係
(1-6) 境界条件による波数(または波長)の量子化
(1-7) 1次元量子系の運動量演算子の固有状態としての進行波解
(1-8) 無限に高い井戸型ポテンシャル中の解

[2] 波動の基礎と量子力学への応用(2回程度)
(2-1) 波動方程式とは何か:ひもを伝わる波とダランベールの解
(2-2) 波動の分散関係
(2-3) 波の重ね合わせ、うなりと波束
(2-4) 位相速度と群速度
(2-5) 物質波の波束  

[3] 同種粒子系の示す量子統計性とパウリ原理(2回程度)
(3-1) 質量の異なる自由粒子2個の系の固有状態
(3-2) 同種の自由粒子2個の系の固有状態

[4] 角運動量とその合成(復習)とスピンの回転(1回程度)

以上の内容に関して1学期の間に7.5回の授業を行い、1学期と2学期を合わせて全部で15回の授業を行う。

<成績評価の基準>

同種粒子の量子系が示す量子統計性、そして電磁場と物質の相互作用の機構を理解することが本講義の主要な目標である。さらに、ポテンシャルによる散乱問題も話題として取り上げたい。全体としては、量子力学の摂動論(定常状態と時間依存)を駆使して多くの現象が説明できることを理解することが目標である。以上の課題の
達成度に応じて、成績を評価する。

時間外学習
教科書を読んで自分で理解しようと努力し、章末の問題を自分で解くと良い。

学生へのメッセージ
授業中にできるだけ多くの質問をして、分からないことがあったらその場できちんと理解するように心がけて欲しいと思います。

質問相談時間:火曜日と金曜日の昼休み