物理実験学(2)[24C2199]

科目名
Course Title
物理実験学(2)[24C2199]
Methods of Experimental Physics (2)
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 物理学科 クラス 物理学科
コンピテンシー
カラーコード
単位数 1.0単位 履修年次 24

担当教員 河野 能知
学期 4学期
曜日・時限・教室
月曜 3 4 理学部1号館201室

(1)、(2)が付く科目の履修方法
この科目は、(1)及び(2)を連続して履修してください(シラバスは両方とも確認してください)。
ただし留学により連続して履修できない場合は、担当教員に申し出てください。

授業の形態
講義,演習

教科書・参考文献
「最小二乗法による実験データ解析」中川徹、小柳義夫 東京大学出版
「いかにして実験を行うか」G.L.Squires 重川ら訳 丸善出版

ALH区分
ALHを実施しない

アクティブラーニングの技法
復習テスト

評価方法・評価割合
小論文(レポート)=50%,その他=50% 宿題・演習

主題と目標
 自然科学の研究における実験的研究は、未知の現象を発見する手段であると同時に、理論的考察に対してその検証を行うという自然の本質の追及に不可欠なアプローチです。実験と測定とは密接に関連していますが、物理実験の立場からは少し意味合いが異なります。測定は何らかの物理量の値を数値データとして得ることである一方、実験をするというときには、理論的なモデルの正しさを検証したい等、測定データを得る以上の目的をもっています。

 実験データを解析したり、実験を計画したりするためには、測定データからどのように理論モデルを検証するか、また実験の目的を達成するためにはどのような物理量をどのように、どれくらいの精度で測定すればよいかを知る必要があります。本講義の前半では、誤差の考え方から始めて統計学に基づいてデータの扱い方を解説します。

 講義の後半では、現代の物理実験に欠かせない放射線について解説します。20世紀以降、量子力学の発展により、マクロな物理現象(熱力学や電気伝導など)についてミクロな視点(原子や電子の振る舞い)からの理解が大きく進みました。目で見えないミクロな構造を調べる手段として様々な分野で放射線が利用されています。放射線の性質を説明した後、放射線の粒子性や波動性がどのように利用されているか代表的な測定方法を紹介します。

授業計画
実験を遂行する上で必要な基礎的事項(種々の測定法、誤差の取り扱い、データ解析法)を説明する。また、最後に自分で一から実験計画を立てる上で必要とされる考え方を説明する。(全15回)

第1部 測定と統計学
 物理実験の例、単位系、測定と誤差、確率分布と統計量、誤差の伝播、最小二乗法、パラメータの推定、仮説検定、統計的推論、実験データの扱い

第2部 マクロな現象とミクロな構造
 様々な現象と物理量、物質の構造、放射線の性質と利用(粒子性、波動性、分光)

時間外学習
前半のデータの扱いに関するところでは、線形代数、多変数関数の微積分、計算機を使った計算などを用います。授業の理解度を深めるために、簡単な宿題を数回出す予定です。

学生へのメッセージ
物理現象を記述する理論とそれを検証するためにどのような実験を行うかの両方を理解できると、物理が一段とおもしろくなるはずです。授業での質問、発表、議論に積極的に参加してください。