プロジェクトマネジメント特論[25S1021]

科目名
Course Title
プロジェクトマネジメント特論[25S1021]
Project Management
授業言語
Language
Japanese
科目区分・科目種 共通科目(前期課程) クラス 博士課程共通
コンピテンシー ◎問題解決力,○創造的思考力
カラーコード  
単位数 2.0単位 履修年次 13

担当教員 太田 裕治
学期 後不定期
日程・時限・教室
2026/01/16 (13:00 17:00)
2026/02/06 (13:00 17:00)
2026/02/13 (13:00 17:00)
2026/02/20 (13:00 17:00)
2026/02/27 (13:00 17:00)
2026/03/06 (13:00 16:00)

受講条件・その他注意
この授業では成果物の提出と発表を重視します。受講者数制限をすることがあります(最大10名程度)。また、本科目は、T-COCOAの履修指定科目となっており、SPRING奨学生の受講を優先することがあります。

なお、事前準備として、皆さんの研究テーマをどのように社会と結びつけるか、ラフで結構ですのでアイデアを用意してきてください。研究テーマのゴールはひとつと思いますが、社会との結びつきに関しては、答え(正解)のないオープンクエスチョンです。自由に楽しく発想頂ければと思います。

◎本講義は不定期開講ですので、全部は出られないかもしれない、という学生は、問い合わせ先までメールください。

到達目標:この授業を履修することで、受講者が以下の状態になることを目指します 。
● 【知識・スキル】 自身の研究と社会課題を結びつけるためのAI活用法を理解し、ビジネスモデルの基本フレームワークを用いて事業の骨子を説明できる 。
● 【実践】 「自身の研究をビジネスにする」という正解のない問いに対し、AIを活用してアイデアを創出し、具体的な事業計画へと落とし込むプロセスを主体的に遂行できる 。
● 【応用・成果物】 自身の研究から生まれた事業計画を、専門家以外にも価値が伝わる形で提案資料にまとめ、その魅力と実現可能性をプレゼンテーションできる 。

授業の形態
講義,演習,実習・実技

教科書・参考文献
特にありません。日頃から、起業支援や生成系AIに関連する用語、コンテンツなどをチェックするようにしてください。少しづつで結構です。時間があれば、TOKYO創業ステーションTAMAのオフィスを訪問してください。起業関連書籍が実に充実しています。(交通費は応相談。JR立川駅から5分程度の商業施設Green Springs内)

ALH区分
ALHを実施しない

評価方法・評価割合
実習成果=50%,発表=50%

主題と目標
本講義は、院生各自の研究活動を社会実装へと繋げる力を養うことを目的とします。すなわち、受講者の皆さんがそれぞれ取り組んでいる研究テーマについて、アウトカムの部分を、ビジネスアイデアとして練り上げて頂き、社会で実践するためにプロジェクト化する手法について実践的に考えて頂きます。各自、研究プロセスのなかで様々な分析や実験を行っていると思いますが、そこから得られる(出力される)結果(アウトプット)と、結果(アウトプット)が得られたのちに社会のなかで実現されていく成果(アウトカム)を、まず、区別して考えるようにしてください。この、成果(アウトカム)をロジックモデルという考え方で、段階的にプロジェクト化することを学びます。そこには、アカデミアにおける仮説に似た、PoC(proof of concept)という考え方があります。これを理解するようにしてください。このようなことは学んだことがないので心配に思われるかもしれません。経験豊富な講師の先生ですので、安心して取り組んでみて下さい。

この演習授業は大きく分けて、次の2段階構成(ねらい)です。
@文理融合、研究の社会実装を視野に入れつつ、講義&ワークショップでの実践形式による課題解決能力向上を通じたキャリアパスに関する視野拡大がねらいです。起業の考え方、仕組み、成り立ち、などの基本的な事項を学びます。起業支援して下さる方々とのコネクションも作り上げて下さい。
A博士人材が持つ深い専門知識を社会価値に転換する「事業開発力」を養うため、各自の研究テーマを起点に「課題発見→アイデア創出→事業計画策定→提案」までの一連のプロセスを、AIを駆使しながら実践します。これにより、自身で事業を立ち上げるための具体的なプロセスを学ぶとともに、本質的な力として「創造的思考力」「問題解決力」、そして自律的にキャリアを切り拓く「エージェンシー」を体感型で身につけることを目的とします 。

Aで身に付いたAI実践技法は、皆さんの研究にも、将来にも必ずや役立つはずです。

授業計画
本講義は後学期の不定期開講です。以下の内容は2025年9月時点の内容ですので若干調整が生じるかもしれません。(とくに生成系AIでは年明けの調整があるかもしれません、それくらい技術革新が速すぎます・・)

@TOKYO創業ステーションTAMAによる起業プロセスの理解とワークショップ(2回)
https://startup-station.jp/tn/

柏ア 裕介講師(プランコンサルタント)
https://startup-station.jp/consultant/tama-planconsulting05/
大学での講義や女性向け起業ゼミ等で豊富な講演、支援経験を持ち、ソフトな語り口で人気の相談員(中小企業診断士)です。

2026年1月16日(金)13〜17時:創業の基本を学びます。また、各自の研究テーマに基づいたビジネスアイデアの創出にとりかかります。後者は、テーマによって、個人ワークの場合とグループワークの場合があります。

【講義】
・ 創業の魅力や事例、実態紹介
・ ビジネスアイデア創出(顧客、課題設定)方法
【ワーク】
・ ビジネスアイデア創出、ビジネスモデル検討


2026年2月6日(金)13〜17時:前回の内容を踏まえ、マーケティングを軸としたビジネスプランのブラッシュアップを行います。かんたんな中間発表も行って頂きます。

【講義】
・ マーケティング(市場調査、競合差別化、販促)
・ TOKYO創業ステーション及び東京都の創業支援施策紹介(若者、女性向け)
【ワーク】
・ 顧客ニーズ確認等
・ ビジネスプラン中間発表、講評
【講義】
・ 最終発表に向けたブラッシュアップポイント、プレゼンのコツ紹介


Aトグルホールディングスによる実践的生成系AI学修:研究者のためのAIビジネスデベロップメント入門(3回)
https://toggle.co.jp/
舟橋遼亮講師(株式会社TERRAISE CEO、トグルホールディングス インターン)
佐藤開一講師(トグルホールディングス)
以下では、個人ワークを基本とし、受講生同士が「バディ」として互いの進捗を共有し、フィードバックし合う形式で進めます。

2026年2月13日(金)13〜17時 アイデアの深化と価値提案
● 目的: 前半の講義で創出したビジネスアイデアをAIを用いて多角的に分析し、提供価値を明確化する。
● 内容: オリエンテーション。各自のビジネスアイデアを発表し、AIを活用したアイデアのブラッシュアップと価値提案の定義に関するワークショップを行う 。


2026年2月20日(金)13〜17時 ビジネスモデルの設計とストーリー構築
● 目的: アイデアを具体的な事業計画に落とし込み、他者の心を動かす提案ストーリーを構築する。
● 内容: ビジネスモデルキャンバスを用いて事業の全体像を設計し、収益性や実現可能性を検討する。その後、ストーリーテリングの手法を学び、提案の骨子を作成する 。



2026年2月27日(金)13〜17時  最終発表に向けた実践演習
● 目的: 完成した事業計画を効果的に伝えるプレゼンテーションスキルを習得し、最終発表に向けて準備を万全にする。
● 内容: バディ間で模擬ピッチを行い、相互にフィードバックを行う。専門家以外にも伝わる提案のポイントについて学び、発表資料を完成させる 。


生成系AIの進化は日々驚くほど速いです。各自PC持参のうえ、生成系AI(商業ベース)を使いこなすための最先端テクニックを、しっかりと身に付けましょう。


Bビジネスアイデアの最終プレゼン・講評

2026年3月6日(金)13〜16時 事業計画プレゼンテーション

目的: 完成した事業計画を外部評価者に向けて発表し、その価値と実現可能性について多角的なフィードバックを得る。
● 内容: TOKYO創業ステーションTAMA、トグルホールディングスの担当者や教員を審査員として招き、最終プレゼンテーション(1人15分程度)と質疑応答を行う。講義全体の振り返りと今後のネクストアクションについても設定する 。


ビジネスアイデアのプレゼンはアカデミアのプレゼンと決定的に異なる点があります。それは皆さんのビジネス(事業)にかける情熱(パッション)を思い切り出していただき、共感者を募るという点に尽きます。冷静沈着論理的なアカデミアプレゼンとは全く異なります。両方のスタイルが身に付けば素晴らしいことですね。

時間外学習
本授業では外部講師をお迎えしての講義となります。講師の方々は、@TOKYO創業ステーションTAMA、ならびに、Aトグルホールディングスの方々です。これらの方々と、積極的なコネクションを作るように心がけると(将来的にも)良いと思います。

学生へのメッセージ
それにしても昨今の生成系AIの隆盛は著しいですね。皆さんの中には将来仕事がなくなってしまうのではと心配になる方もいるかもしれません。しかし、心配になりすぎることはありません。AIが苦手なこととして、
■共感と感情知性
■物理的存在とネットワーキング
■意見・判断・倫理
■創造性と想像力
■希望・ビジョン・リーダーシップ
が挙げられています(by MIT、EPOCHフレームワーク )。本科目はこれらの力を実践的に身に付ける格好の場です。是非、受講して下さい。

学生の問い合わせ先
太田裕治 ohta.yuji@ocha.ac.jp